倉庫生活 11th day

今は朝の4時である。こんな時間まで何をしていたのかというと、作曲をしていたのである。ドチャクソかっこいい曲ができてしまった。future bassの練習をしていると先日の日記に書いたが、出来上がったものを聞いてみると、future bassの他にもラテン音楽、コア、教会音楽といった音楽ジャンルの要素を含んでいることに気づいた。しかし、分かる人には分かるだろうが、future bass・ラテン音楽・コア・教会音楽というのはどれもまるっきり別々の音楽ジャンルである。確かに、僕はここ最近でこの4つの音楽ジャンル全てに触れていたが、それが僕の中で無意識に融合されて出てきたらしい。こういう瞬間が一番面白い。この曲は、もはや既存のジャンルでは区分しがたい新しい音楽として生まれているのである。

寝ている間に、やはり夢を見た。僕は中学生であり、昔嫌いだったクラスメイトと喧嘩をして教師に怒られる、という悪夢である。なぜこうも毎日悪夢ばかり見るのか分からない。夢の中で僕は、喧嘩の相手を詰り続けて暴言を吐きまくっていた。現実世界の僕は、いつも感情を表に出さずひ弱で喧嘩もしないタイプだった。何か深層心理を表しているような気がしてならない。

今日は水曜日だったが、木曜日だと勝手に勘違いしていて授業をすっぽかした。どうせドジっ子なら美少女JKに生まれたかったところである。そういうわけで空いた昼間は、ずっと作曲をしていた。昨日作った歌に歌詞を当てて、デモのヴォーカルを自分で録音して伴奏に乗せてみる。なかなかいい出来である。しかし、どうも男の野太い声が合わない。ヴォイスチェンジャーを使えないか試してみる。色々調べてやってみると、無感情な成人オタク男性の歌声がいかにもクールっぽい女性の声に様変わりするではないか。面白い。自分が女であったらモテていただろうか、などと不毛なことを考えながら歌声を弄っているうちに、気づいたら夕方になっていた。アホか。

今日の夕飯は鶏むねの塩釜焼きに決めた。塩釜焼きというのを一度やってみたかったのである。結果を言えば、実に上々であった。柔らかくジューシーに仕上がった鶏むねは、強い塩気にレモンピールとハーブの香りがよく乗っており、一緒に作ったオランデーズソースをつけて食べるととても美味かった。kamijoくんのタイ米チャーハンも実に美味く、スパークリングワインが一瞬にして消え去った。

鶏の塩釜焼き
晩ご飯

そういえば、昨日百ローでココナッツがなぜか丸ごと200円で売られていたので、買ってきた。ココナッツウォーターを取り出し、その辺のコンクリートにぶつけて割ってみると、真っ白できれいな果肉(実際には胚乳らしい)が現れ、ココナツミルクの良い香りが広がった。ココナッツウォーターは市販のものよりもココナッツの香りが強く、自然な甘みの他にいかにも生物みのある塩味が感じられ、美味だった。果肉の部分は、ココナッツの香りはするが甘みはなく、かなり繊維質なので、ココナッツ風味のシャキシャキする角材を食っている気分になった。

道端の縁石にココナッツを打ち付ける一般的な男性
やったぜ

食後のデザートは、半額で売られていたパパイヤである。これは面白い果物だった。切ると、なぜかうっすらニンニクの香りがする。果肉を食べると、ねっとりした甘さがあり美味いが、やはりニンニクの香りがする。皮の周辺の果肉は全く甘くなく、ニンニクの香りに加えて独特の苦みもある。完全に人を選ぶタイプの食べ物である。皮を分厚く剥く必要があり、もったいなかったのでハーブソルトとオリーブオイルで和えてみた。ニンニクの香りにはオリーブオイルが合うだろうという寸法である。

パパイヤの皮のオリーブオイル和え

確かに、オリーブオイルには合っている。しかし、ここへきて申し訳程度の果物感が絶妙な違和感を醸し出している。苦みも抑えきれていない。とはいえ、別に不味くはない。アリではないがナシでもない、きわめて微妙な味だ。結局完食したけれども。

今日は、特に何もできなかった気がする。授業をすっぽかしたし、料理に多くの時間を使ったからそう思うのだろうか。しかし、少なくとも作曲は進んだし、鶏むね肉は塩釜焼きが美味いことを発見したし、パパイヤはニンニクの匂いがすると知って、ココナッツの果肉を剥ぐのがいかに大変かも体験した。今日は本当に何も成果を生めなかったのだろうか。それはいつの未来に分かるのだろうか。

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