昨夜、江坂さんの提案で銭湯に行ってきた。龍泉寺の湯という、CMでもよく見かけるスーパー銭湯である。
八雲人間舎の住人もみんな来た。彼らと銭湯に行くのは初めてだったが、裸の付き合いというやつは大事である。かくして龍泉寺の湯の守山店についた僕らは、駐車場に車を停めようとするが、駐車場はものすごい数の車で埋め尽くされている。コロナ禍の、23時という遅さでこの車の数は異常ではないか??? とそう思わせるほどに大量の車がひしめいていた。
今回、僕のチケット代は江坂さん持ちである。というのも僕は貧困であり、それを憐れんだ江坂さんが銭湯のレポート記事の執筆と引き換えに代金を持ってくれたからである。我ながら情けない。
しかし、入館した途端に中の賑わいようが気になる。むしろ平時の銭湯より人が多い気がするのは気のせいだろうか。よくよく見ると、客の半分程度は大学生であり、何人かの友人と連れ立ってワイワイとうるさく駄弁っている。僕はてっきり、コロナ禍の深夜なら人は少ないだろうと思っていたので、拍子抜けであった。後から気づいたことだが、コロナウイルスの蔓延防止対策で飲食店が開いていないので、その分が流れ込んできたのかも知れない。しかし、それで銭湯を選ぶというのはどういう神経をしているのだろうか??? 他人との接触リスクも高く、マスクもできない場所である(ちなみに、銭湯内でマスクをしているおじさんが1人だけいた。全裸にマスクの人間を見るのは初めてだったので面白った)。まあ正直、僕らも友人と連れ立ってやってきた大学生なので大方ブーメランなのだが、楽しそうに騒ぐ大学生の群れを見て心底うすら寒くなったのは事実である。
浴室は、大量の裸男で埋め尽くされていた。大方大学生なので、話し声が反響してワンワンしている。壁面には、温泉効果を羅列したパネルが飾ってある以外に、なんと「温泉でコロナ予防!」などというパネルも飾ってあった。曰く、温泉で血行を良くして深部体温を上げることで免疫を向上させよう! コロナウイルスは高温多湿に弱いから銭湯は安全。みたいなことが書かれていたのだが、湯だけでなく頭も沸いてんのか???? と思った。まあ、倒産しないよう必死だということは伝わってくる。
室内は会話しづらかったので、早々に露天に移った。風が強くとても寒かったが、やはり人に埋め尽くされている。とはいえ、無限に換気が行われているので感染リスクは低そうだ。僕らはそこに陣取り、長いこと会話していた。
ところで、この龍泉寺の湯守山店の露天風呂は、ゲーミング風呂である。どういうことかというと、こういうことである。
水底から発されるこの妖光は7色に輝き、水面を埋め尽くす大量のケツをぼんやりと照らし上げていた。そのケツが全て全裸男性のものだということを抜きにすれば、さながらナイトプールのごとき様相である。高所から望む露天風呂の夜景は正直言って爽快だったが、この7色に浮かび上がるケツはむしろ百鬼夜行である。なぜ男のケツを7色に光らせようと思ったのか。いや、女湯なら良いとかいう問題でもないが。
何はともあれ、露天風呂に移ったのは正解だった。上半身と下半身の激しい温度差に耐えられさえすれば、無限に話ができた。日付が変わり、人もさすがに減り、僕らは気持ちのいい入浴に満足して風呂を上がった。今までで最も長いこと湯につかっていたかもしれない。
風呂上り、コーヒー牛乳を飲んだ。やはり風呂上がりのコーヒー牛乳は最高であった。乱暴だが、終わり良ければすべて良しということにしておこう。