僕は作曲家なので、パソコンの中には大量の作曲ソフトやら何やらが入っている。デスクトップパソコンをインターネットに繋げるために、有線LANをこの部屋まで引いてくる必要がある。
長い。10mのLANケーブルが必要だった。この工事を昨日して、デスクトップパソコンが使えるようになった。これで作曲も心置きなくできるだろう。作曲もまじめにやらなければならない。ここでの暮らしの終わりには、僕は「東山人間舎のうた」を作らなければならないし。
今日受けた哲学の授業が面白かった。初回なのでイントロダクションにとどまったが、先生がかなり尖った人だったのだ。哲学に宿命づけられた客観性、すなわち他者性は、一種の暴力をはらみながら他者(もしくは他者としての自分)を変容させていく。哲学は答えを探る学問ではなく、問題を探る学問である。誰それの哲学理論を研究しました、という程度で終わる研究は、ちょっと上等な読書感想文という程度のもので、哲学と呼べるようなものではない。重要なのはその先にある君自身の考えなのに、過去の理論を額縁に飾って崇拝するようなことしかできない学生が多すぎる。……等々。そんなことを教授が語った後、受講者が自己紹介をする流れになったのだが、
「僕はハイデガーの研究をしようと思っています。なぜなら彼の思想に感銘を受けたから、云々……」
「わたしは文学を学んでいますが、それを深めるために哲学理論の知識を、云々……」
こんなことを学生が次々言い出すものだから、オンライン授業のカメラ越しに笑いを耐えるのが難しかった。名大生は、実のところ意外と読解力がないのだ。教授も苦笑である。
その後、恋人が会いに来てくれた。軽くシェアハウスを見せてから、大学を散歩しようと思ったが、雨が強くて散歩どころではなかったので、早々に夕飯を食べに行った。山手通りの中国料理屋「香蘭楼」は、本場の中国料理を割に安価で食べることができ、僕のお気に入りの店である。ただし、四川系の辛い料理は容赦なく辛い。今日は、牛すね肉の醤油煮、皮蛋、角煮とじゃがいもの土鍋煮込み、担々麺を頼んだが、担々麺がかなり辛かった。というか、あれは担々麺だったのだろうか? ごまの味が全然しなかったような気がするので、注文を取り違えられていたのではないだろうか。とにかく、注文を取り違えられていても「これが本場の味かあ」と納得させられてしまうような風格があの店にはある。牛すね肉の醤油煮、絶品。角煮とじゃがいもの土鍋煮込みもかなり美味い。2人で3000円行かず、満腹。
帰宅して、なんとなく半熟味玉を仕込んだ。明日の朝には味がしみるだろう。その後は、近所のウズベキスタン食品店で買ったスパイシーなおつまみで晩酌し、眠いので早めに寝る。