倉庫生活 24th day

今朝、起きると何故か朝の5時半であった。デートに寝坊してはいけないと念じ続けていたら、このありさまである。もはや生活習慣もへったくれもない。しかし、久しぶりに吸った早朝の空気は、家の近くに茂る森の匂いをはらんで実に新鮮だった。

朝6時に起きると、僕の普段の起床時間に比べて6時間以上の余分な時間が虚空から生み出されることになる。その時間を活用し、僕は大学の課題をやった。昨日の不徳を埋め合わせようとしたのである。しかし、朝早起きするというのは実際にやってみると実に気持ちがいいし、時間を有効活用できてとてもいいのだが、毎日続けようと思っても今まで続いたことがない。

昨日、シルクロードでよく分からない豆を買った。賞味期限切れのため、1kgで150円という意味の分からない破格だったのだ。それはウラド豆とかいう極めて馴染みのない豆だったが、和名をケツルアズキといい小豆の近縁らしかったので、一晩水につけてから粒あんにしようと思っていた。水につける前は黒かったウラド豆だが、水で膨れるととてもきれいな青緑色になっていた。

ウラド豆

とはいえ、煮ればどうせ灰茶色になってしまうのである。しかしこの豆、小豆と同じような味の方向性を期待していたのだが、いざ煮てみると小豆とは全く違う。ただ煮ているだけでコンソメスープみたいな独特の匂いがしてくるし、小豆のようなホクホク感というよりはむしろネチョッとした粘り気があり、煮汁が糸を引く。結果、完成した粒あんは別に不味くはないが決して正解とは言えないものになった。小倉トーストにしたらなかなか美味かったが、汁粉にしたらかなりビミョーだった。この豆は、本当はダルマッカニーという豆カレーの材料にしたり、粉砕して粉物の生地にしたりするらしい。もやしにすると美味いらしいので、発芽しないか実験してみる。

昼から夜にかけて、恋人とデートをしていた。彼女は先日就活を終え、内定をもらったところなので、ディナーを食べつつお祝いをしたかった。しかし、僕ら2人はどちらも店を探すのが致命的に苦手である。特に僕は、店選びを間違えて最悪な気分になるのがどうしても嫌なので、あらゆるサイトでレヴューを探して読み漁り、吟味してしまう。最近は口コミサイトの評価やレヴューも当てにならないので、それが本当に信用できるものかどうかも疑わねばならない。あるそのアカウントから投稿されているレヴューの数があまりに少ない場合、信用できない。どんな店にも★4~5しかつけないような人のレヴューも信用できない……などとやっていると、時間はかかるしすぐヘトヘトになる。「名古屋 ディナー」とかネットで調べても、上の方に出てくる店はどれも広告にばかり金を割くような下らない三流店で、本当に安くておいしい店はなかなか検索エンジンにヒットしない。玉石混交たる情報の海の中で、本当に欲している情報を探し出すことはあまりに困難である。

果てしない苦しみを乗り越え、僕はついにやってのけた。なかなかよさげな店を探し出したのである。都会というのは、今宵の飯屋を探すだけでこんなに面倒くさいものなのか。これが資本主義の成れの果てなのか。不如意きわまりない。

ディナー

僕の恋人はかなり特殊な食の嗜好を持っており、野菜類の大半を含む多くの食材を食べることができない。対する僕はというと、食えないものはなく、むしろおかしな食材にこそ興味が湧くようなタイプである。今日も僕はおかしなメニューを果敢にも頼み、恋人は比較的無難なものを頼んで食べていた。いずれ恋人におかしなものを食べさせて美味しがらせるのが夢である。

帰宅して、サクライ君とスマブラをやり、課題を少しやった。今はゴールデンウィークだからか、住人が僕とサクライ君しかいない。少々寂しい雰囲気である。

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